「VTuberはいつから始まったのか」という疑問は、歴史を知るほど奥行きが増していきます。
世界初といわれる存在から現在の巨大市場に至るまでをたどることで、推しの活動がどれだけ大きな潮流の中にあるかが見えてきます。
この記事では、VTuberが生まれたタイミングだけでなく、その前夜となる文化的背景や、ブーム以降の変化も年表形式で整理していきます。
これからVTuberを深く楽しみたい人も、自分でデビューしてみたい人も、歴史を押さえておくと作品や配信の見え方が一段とクリアになります。
VTuberはいつから始まったか知りたい
このセクションでは、「VTuberはいつから」と問われたときにどう答えればよいか、その基準となる出来事や年を整理します。
世界初のバーチャルYouTuberとされる存在
現在もっとも一般的な答えは「2016年末から活動を始めたキズナアイの登場」です。
彼女は自らをバーチャルYouTuberと名乗り、3Dモデルを用いたキャラクター配信というスタイルを確立しました。
以降、3Dアバターとキャラクター性を前面に出した動画配信者を指してVTuberという言葉が使われるようになります。
そのため「VTuberはいつから」という質問に対しては、多くの人が2016年を起点として説明します。
バーチャルYouTuberという言葉が生まれた時期
「VTuber」という単語は、英語のVirtual YouTuberを略した表現です。
この呼び名はキズナアイが活動開始時に使った自己紹介から浸透していきました。
当時はまだ用語として定着しておらず、バーチャルアイドルやバーチャルタレントなど、さまざまな呼び方が混在していました。
2017年頃からメディアやファンコミュニティでVTuberという表記が広く使われ始め、ひとつのジャンル名として認識されるようになります。
キズナアイ以前の前身的な試み
2016年より前にも、3DキャラクターがYouTubeで動画を投稿する事例は存在していました。
たとえば2011年には、3Dキャラクターモデルで日常を語る英語話者の配信者が登場しています。
しかし当時は「VTuber」という言葉はまだなく、アニメ調のキャラクター文化とも今ほど強く結びついてはいませんでした。
そのため、現在の意味でのVTuberのスタートラインをどこに置くかについては「キズナアイ以降」という考え方が主流になっています。
VTuberブームが一気に加速したタイミング
VTuberという存在が広く知られるようになったのは、2017年後半から2018年のタイミングです。
この時期には、電脳少女シロやミライアカリなど、いわゆるVTuber四天王と呼ばれる人気キャラクターが次々と登場しました。
YouTubeの関連動画やSNSで話題が拡散し、「気づいたらタイムラインがVTuberだらけだった」という人も少なくありません。
この頃を境に、視聴者の側も「VTuberは特別な存在ではなく、普通の配信コンテンツの選択肢のひとつ」として受け止め始めます。
活動の場が広がった現在のVTuber像
当初VTuberはYouTubeを舞台にした動画投稿や生配信が中心でした。
その後はゲーム配信プラットフォームや動画サイト、さらにはテレビ番組やラジオ、ライブイベントなどにも活動の場が広がりました。
音楽アーティストとしてCDデビューしたり、アニメの声優として出演したりするVTuberも増えています。
こうした広がりを踏まえると、「VTuberはいつからか」を問うときには、2016年の誕生と、その後の急速な多様化の両方を押さえておくことが重要です。
VTuberはいつからかをどう捉えるか
歴史を振り返ると、VTuberの「起点」は一つではなく、いくつかの段階に分けて考えられます。
用語としての誕生は2016年、ブームとしての広がりは2017年から2018年、文化として日常に溶け込んだのは2020年代と整理できます。
一方で、3Dキャラクターの配信自体はそれより前から存在していたため、どこまでを含めるかで見方は変わります。
この記事では、現在一般に共有されている理解に沿って、2016年以降をVTuberの本格的な歴史として扱っていきます。
VTuber誕生前夜の文化背景
ここでは、VTuberが生まれる前にどのような技術やカルチャーが積み重なっていたのかを整理します。
バーチャルアイドルの流れ
VTuberの登場以前から、CGキャラクターや架空のアイドルがメディアで活躍するケースはありました。
1990年代にはバーチャルアイドルという概念が話題になり、「二次元のタレント」が現実世界のアイドルのように扱われる土壌が育っていきます。
2000年代後半には初音ミクをはじめとするボーカロイドが登場し、「画面の向こう側のキャラクターを推す」文化が広く普及しました。
これらの流れは、キャラクターが主体となって活動するVTuberの受け皿を作る重要な要素になりました。
- バーチャルアイドルの台頭
- ボーカロイド文化の拡大
- キャラクターへの推し文化
- 二次元タレントの一般化
配信技術の進化
VTuberが成立するためには、キャラクターを動かしながら配信できる技術的な基盤も必要でした。
3DCGソフトやモーションキャプチャ、表情認識ツールの普及が進み、個人でもキャラクターをリアルタイムで動かしやすくなっていきます。
こうしたツールの進化は、後にVTuberが爆発的に増える土台を静かに整えていました。
| 年代 | 主な出来事 |
|---|---|
| 1990年代 | バーチャルアイドル表現の登場 |
| 2007年 | 初音ミクのリリース |
| 2010年代前半 | 3DCG制作ソフトの普及 |
| 2010年代中盤 | モーションキャプチャと配信ツールの一般化 |
| 2016年 | VTuber文化のスタートライン |
YouTubeと動画文化の成長
YouTubeをはじめとする動画プラットフォームの成長も、VTuber誕生前夜の重要な要素です。
2010年代に入り、個人がカメラ一台で動画を投稿し、ファンを獲得するスタイルが一般的になりました。
その中で「顔出しはしないけれど、キャラクターを通して自己表現したい」というニーズが顕在化していきます。
このニーズと技術的な進化が重なり合ったところに、後のVTuberが生まれる余地が生まれました。
キャラクター配信者という前例
VTuberという言葉が登場する前から、3Dキャラクターが日常を語る動画を投稿するクリエイターは存在していました。
こうした前例は、後から振り返ると「VTuber的な試み」の先駆けと見ることができます。
ただし当時はジャンルとしての名称がなく、視聴者側にも「これは新しい動画スタイルだ」という認識はまだ薄かったと考えられます。
キズナアイの登場によって、その形が一気に言語化され、「VTuber」というラベルが与えられたことが決定的な違いになりました。
2016年キズナアイ登場のインパクト
ここでは、2016年のキズナアイ登場がなぜ「VTuberはここから」と語られるほど大きな転換点になったのかを掘り下げます。
デビュー動画と自己紹介スタイル
キズナアイは、自分を人工知能と名乗るキャラクターとしてYouTubeに登場しました。
初期の動画では、自己紹介や雑談を通して視聴者との距離を縮めるスタイルが確立されていきます。
このとき、カメラの前で話すのは中の人ではなく、3Dキャラクターであるキズナアイ自身という構図が徹底されました。
視聴者はあくまでキャラクターを推しながらも、その向こう側にいる中の人の存在も意識するという、二重構造の楽しみ方を獲得していきます。
キズナアイがもたらした新しい要素
キズナアイの登場は、それまでの動画文化にはなかった要素をいくつも持ち込んでいます。
キャラクター性、AIという設定、そして軽妙なトークを組み合わせたスタイルは、多くのファンを引きつけました。
こうした新しさは、その後のVTuber像をかたちづくるテンプレートとして機能していきます。
- キャラクターが前面に出る自己紹介動画
- AIという設定を生かした世界観
- 視聴者との近い距離感
- ゲームや企画動画への柔軟な挑戦
初期VTuber年表
キズナアイの登場以降、少しずつVTuberと呼ばれる存在が増えていきます。
どのタイミングで何が起きたのかを年表で整理しておくと、後のブームとのつながりが見やすくなります。
ここでは、初期の代表的な出来事を簡単にまとめます。
| 年 | 出来事 |
|---|---|
| 2016年 | キズナアイが活動開始 |
| 2017年 | VTuber四天王が話題になる |
| 2018年 | 専用事務所やプロジェクトが増加 |
| 2019年 | 海外展開やコラボ企画が拡大 |
VTuberという自称の意味
キズナアイが自らをバーチャルYouTuberと名乗ったことは、単なるキャッチコピー以上の意味を持ちました。
この自称によって、キャラクターで活動する動画配信者を束ねる新しいジャンル名が生まれたからです。
以降、似たスタイルで活動する配信者は、自然とVTuberというラベルを受け継いでいきます。
言葉が生まれた瞬間こそが、文化のスタートラインとみなされる理由がここにあります。
2017年以降のVTuberブーム
このセクションでは、VTuberが2017年以降どのように広く知られるようになり、いわゆるブームと呼ばれる状態に入っていったのかを見ていきます。
2017年の急速な認知拡大
2017年には、複数の人気キャラクターが同時期に台頭し、「VTuber四天王」という呼び名が定着しました。
個性的なキャラクターたちがそれぞれのスタイルで動画を投稿し、ファンコミュニティを広げていきます。
動画サイトのランキングやSNSのトレンドに繰り返し登場することで、VTuberという言葉自体が広く知られるようになりました。
この年は、VTuberが一部のファンの間の存在から、大衆的なネットカルチャーへと変化する分岐点といえます。
主なVTuber事務所年表
ブームの広がりとともに、VTuber専門の事務所やプロダクションも次々と誕生しました。
企業が参入することで、配信環境や機材、企画の規模なども一気にスケールアップしていきます。
代表的な事務所の設立タイミングを整理すると、ブームの流れがより立体的に見えてきます。
| 事務所 | 設立年の目安 |
|---|---|
| にじさんじ | 2018年 |
| ホロライブプロダクション | 2018年 |
| upd8 | 2018年 |
| その他中小事務所 | 2018年以降 |
ブーム期に増えた配信スタイル
ブームが進むにつれて、VTuberの配信内容は多様化していきました。
ゲーム実況だけでなく、雑談や歌枠、企画配信、コラボイベントなど、視聴者が楽しめるコンテンツの幅が一気に広がります。
視聴者側も、自分の好みに合ったVTuberを見つけやすくなり、「箱推し」という概念も自然と生まれました。
- ゲーム実況配信
- 歌やライブ配信
- 雑談や相談コーナー
- 複数人のコラボ企画
- テレビ番組風の企画配信
ファンコミュニティと文化の形成
ブーム期のVTuberは、単に人気があるだけでなく、ファンコミュニティのあり方にも特徴がありました。
コメント欄やSNSでの交流、二次創作や切り抜き動画など、視聴者が能動的に文化を広げていく動きが活発になります。
この双方向性の強さが、VTuberを一時的な流行で終わらせず、継続的なカルチャーへと成長させた大きな要因のひとつです。
「VTuberはいつからか」という問いに対して、このブーム期をひとつのピークとして捉える見方もできます。
2020年代のVTuberが日常になるまで
このセクションでは、2020年代に入ってからVTuberがどのように「特別なコンテンツ」から「日常的な存在」へと変化していったのかを整理します。
コロナ禍で加速したオンライン視聴
2020年前後は、世界的な感染症流行の影響で、オンライン配信の需要が急速に高まりました。
自宅で過ごす時間が増えたことで、VTuberの配信を日常的に視聴する人が増えていきます。
リアルイベントの代替としてオンラインライブやバーチャルフェスが開催され、VTuberの存在はますます身近になりました。
この時期は、VTuberが「一部のファンの趣味」から「多くの人にとっての娯楽の選択肢」へと変化したタイミングといえます。
企業と業界の節目
2020年代に入ると、VTuberを運営する企業が株式市場に上場するなど、産業としての存在感も高まっていきます。
これは、VTuberが一過性のブームではなく、継続的なビジネスとして成立していることの象徴です。
代表的な節目を押さえておくと、「VTuberはいつから社会的に認められ始めたか」という問いにも答えやすくなります。
| 年 | 節目 |
|---|---|
| 2020年 | オンラインライブ需要の拡大 |
| 2022年 | 大手VTuber企業の上場 |
| 2023年 | 別の大手企業も上場 |
| 2020年代 | メディア露出と企業タイアップの常態化 |
日常に溶け込んだVTuberの活動例
2020年代のVTuberは、かつてのような「ネット発の珍しい存在」ではなくなっています。
テレビ番組やCM、音楽フェスやゲームコラボなど、気づいたらどこかで見かける存在になりました。
こうした変化は、VTuberがカルチャーとして市民権を得たことを示しています。
- テレビやラジオ番組への出演
- 企業や自治体とのタイアップ企画
- 音楽フェスやライブイベントへの参加
- ゲームやアプリとのコラボキャンペーン
- 雑誌や広告でのビジュアル起用
海外VTuberと多言語展開
2020年代には、日本発のVTuberに影響を受けた海外VTuberも急速に増えました。
公式に海外向けのグループを立ち上げる事務所も登場し、多言語で活動するVTuberが一般的な存在になっていきます。
プラットフォームもYouTubeだけでなく、配信サイトやショート動画アプリなどへと広がりました。
このような拡大を踏まえると、「VTuberはいつからか」という問いには、世界的には2020年代に本格的な広がりを見せたと補足することもできます。
VTuberの歴史を押さえてこれからを楽しむ
VTuberの歴史を振り返ると、「VTuberはいつからか」という問いには、2016年のキズナアイ登場を起点としつつ、その前夜の文化や技術、ブーム期、そして2020年代の定着という複数の段階があることが分かります。
バーチャルアイドルやボーカロイド文化、3DCGや配信技術の進化が土台となり、キズナアイの自己紹介によってVTuberという言葉が生まれ、2017年以降のブームと事務所の登場、2020年代の市民権獲得へとつながっていきました。
この流れを理解しておくと、今活躍しているVTuberがどの時代の文脈から生まれてきたのかが見えやすくなり、新しい配信やコラボが登場するたびに「歴史のどこに位置づけられるのか」を楽しみながら追いかけることができます。
推しの活動をより深く味わうためにも、自分がこれからVTuberとして活動してみるためにも、歴史を知ることは大きなヒントになってくれるはずです。

