VTuberとして活動したいと思ったとき、多くの人が最初につまずくのがパーツ分けされたイラストをどう準備するかというポイントです。
Live2Dで動かす前提のVTuberのパーツ分けイラストは、普通の一枚絵とは考え方も作業量も大きく異なります。
この記事では、初めてでも迷わず進められるように、基礎知識から料金相場、自作と依頼の選び方までを順番に整理して解説します。
これからモデル制作を始める人や、イラストレーターに依頼する前に知識を固めておきたい人は、ぜひ全体の流れをイメージしながら読んでみてください。
VTuberのパーツ分けイラストの始め方7ステップ
ここではVTuberのパーツ分けイラストを準備するときに踏むべき大まかなステップを整理し、全体像をつかめるようにします。
Live2Dの仕組み
Live2Dは二次元のイラストを多数のパーツに分けて動かすソフトで、立体ではなく平面の情報を変形させてアニメーションを作ります。
そのため一枚の完成イラストではなく、顔や髪、体などをレイヤーごとに分けたパーツ分けデータが必須になります。
どこをどの程度まで分けるかによって、表情の豊かさや体の滑らかな動き方が大きく変わります。
パーツ分けの役割
パーツ分けは「後から動かしたい部分をあらかじめ切り出しておく作業」と考えるとイメージしやすくなります。
目や口の開閉、髪の揺れ、体のひねりなど、動きが欲しい箇所は別レイヤーとして独立している必要があります。
逆にまったく動かす予定のない装飾は、ひとつのパーツにまとめることでデータが軽くなり作業コストも下がります。
必要なソフト
パーツ分けイラストを作るには、レイヤー機能を備えたペイントソフトが必須です。
CLIP STUDIO PAINTやPhotoshopなどのソフトがよく使われ、最終的にはpsd形式で書き出すのが一般的です。
モデリングを自分で行う場合は、Live2D Cubismもインストールしておきましょう。
レイヤー準備
パーツ分けイラストでは、線画と塗りを別レイヤーにしておくと後からの調整が非常に楽になります。
顔のパーツや髪、体などはグループフォルダを作り、その中で細かいパーツを整理していくのがおすすめです。
レイヤー名は後で見てもすぐ分かるように、部位名と左右の情報を統一ルールで付けておきます。
動きやすい構図
Live2D用の立ち絵は、真正面またはやや斜め向きのバストアップ構図が扱いやすいとされています。
極端にポーズを付けた構図だと、体を左右に振ったときに破綻しやすくなります。
腕や髪で顔が隠れすぎない構図にしておくと、表情の豊かさを十分に見せやすくなります。
自作か依頼か
絵を描くのが得意なら、自分でパーツ分けイラストを制作することでコストを大きく抑えられます。
一方で、品質の高いモデルやキャラクターデザインを重視するなら、経験豊富なイラストレーターに依頼する選択肢もあります。
自作と依頼のどちらを選ぶかは、予算とスケジュール、求めるクオリティのバランスで決めると良いでしょう。
制作のスケジュール
パーツ分けイラストは、通常の一枚絵よりも作業量が多く時間もかかります。
自作する場合は、ラフから清書、パーツ分けまでで数週間かかることも珍しくありません。
依頼する場合も、イラスト制作とモデリングを合わせると一〜二ヶ月以上見ておくと安心です。
パーツ分けイラストの料金相場の目安
ここではVTuber向けのパーツ分けイラストを依頼する場合の一般的な料金相場と、予算の立て方について整理します。
基本料金の幅
パーツ分け済みのVTuber用イラストを依頼する場合、個人クリエイターと制作会社では価格帯が大きく変わります。
個人に依頼すると、キャラクターデザインとパーツ分け込みで数万円から十数万円程度が多い水準です。
制作会社では、同じくデザインとパーツ分け込みで十数万円から二十万円前後になるケースが一般的です。
| 依頼先 | 個人クリエイター |
|---|---|
| プラン | キャラデザ+パーツ分け |
| 目安価格 | 約5万〜15万円 |
| 制作会社プラン | デザイン+パーツ分け |
| 制作会社価格 | 約15万〜20万円 |
| 備考 | 有名クリエイターはさらに高額 |
価格が変動する要素
同じVTuberのパーツ分けイラストでも、キャラや依頼内容によって料金は大きく変動します。
主に影響するのは、パーツ分けの細かさや衣装の複雑さ、追加表情や差分ポーズの有無などです。
モデリングとセットのプランにするか、イラストだけを依頼するかによっても総額は変わります。
- パーツ分けの細かさ
- 衣装や装飾の量
- 表情やポーズの差分数
- モデリング込みかどうか
- 依頼先の実績や人気
予算を決める手順
まずは自分の活動スタイルを整理し、どの程度のクオリティと可動域が必要かをイメージします。
次に、相場の幅の中で「ここまでなら出せる」という上限額を決め、その範囲に合うプランを探します。
複数のクリエイターや制作会社から見積もりを取ることで、自分の希望と市場価格のギャップも把握しやすくなります。
自作で進めるパーツ分けイラストの具体的な作業手順
ここでは自分でVTuberのパーツ分けイラストを描く場合に、どのような順番で作業を進めれば良いかを具体的に解説します。
キャンバス準備
まずは最終的に欲しい表示サイズよりも少し大きめのキャンバスを用意し、解像度を350dpi程度に設定します。
作業用レイヤーとは別に、ラフ用やメモ用のレイヤーを用意しておくと、後の整理がスムーズになります。
キャンバス中央にキャラクターを配置し、左右対称を意識しながら大まかなバランスを決めましょう。
顔のパーツ分け
顔は視線や感情を伝える最重要部分なので、細かめのパーツ分けを意識します。
左右の目はそれぞれ白目、黒目、ハイライト、まぶたなどを別レイヤーにすることで、豊かな表情が付けやすくなります。
口も、閉じた状態と開いた状態に加えて、歯や舌を別パーツにしておくと自然な口パクに近づきます。
| パーツ | 目・口・眉等 |
|---|---|
| 目の分割例 | 白目/黒目/ハイライト/まぶた |
| 口の分割例 | 口枠/歯/舌 |
| 眉の分割例 | 左眉/右眉 |
| 表情差分 | 笑顔/怒り/悲しみ |
| 注意点 | 線と塗りを別レイヤーにする |
髪と体の分割
髪は揺れやすいパーツなので、束ごとにレイヤーを分けておくと立体感のある動きが出せます。
前髪、横髪、後ろ髪など大きなブロックに分けたうえで、必要に応じてさらに細かく分けていきます。
体は上半身や首、胸、腕など、関節で曲がる部分を基準に分割するとモデリングが行いやすくなります。
- 前髪ブロック
- 横髪ブロック
- 後ろ髪ブロック
- 首と胴体
- 上腕と前腕
- 手のひら
psd書き出し
全てのパーツ分けが終わったら、不要なレイヤーや下書きを非表示にしてからpsd形式で保存します。
レイヤー名が分かりやすく整理されているか、左右が逆表記になっていないかをこのタイミングで再確認します。
モデラーに渡す場合は、簡単なテキストでレイヤー構造の説明や注意点も添えておくと親切です。
イラストレーター依頼の準備
ここではVTuberのパーツ分けイラストをイラストレーターに依頼する場合に、事前に用意しておきたい情報と確認事項を整理します。
依頼内容の整理
まずはキャラクターの性別や年齢、雰囲気、配信でのキャラクター像などを言語化しておきます。
配信でよく見せたい表情やポーズ、立ち絵の構図が決まっている場合は、そのイメージもメモにまとめます。
衣装のバリエーションや差分の有無、表情数なども、あらかじめ優先順位を付けておくと相談しやすくなります。
参考資料の用意
口頭やテキストだけではイメージが伝わりにくいので、近い雰囲気の参考画像をいくつか用意しておくとスムーズです。
既存のVTuberやイラスト作品のスクリーンショットを使う場合は、あくまで「雰囲気の参考」であることを明記しましょう。
自分でラフスケッチを用意できる場合は、多少ラフでもイメージ共有の助けになります。
- 雰囲気が近いVTuberの画像
- 好みのタッチのイラスト
- 配色イメージのカラーパレット
- 衣装の参考写真
- 自作ラフスケッチ
納期と修正回数
依頼前に、おおよその納期と修正回数の目安を自分の中で決めておくと、見積もり相談がしやすくなります。
イラスト制作だけなら数週間、モデリングまで含めると一〜二ヶ月程度かかるケースも多いため、余裕をもったスケジュールを想定しましょう。
修正回数はラフ段階と清書段階で何回までか、追加料金が発生する条件なども確認しておくと安心です。
| 工程 | キャラデザラフ |
|---|---|
| ラフ期間目安 | 約1〜2週間 |
| 清書とパーツ分け | 約1〜3週間 |
| モデリング | 約2〜4週間 |
| 想定総期間 | 約1〜2ヶ月 |
| 修正回数目安 | 各工程1〜2回まで |
著作権と利用範囲
依頼時には、著作権の扱いや商用利用の可否、クレジット表記の方法なども必ず確認しておきます。
グッズ販売や二次利用を考えている場合は、その範囲が料金に含まれるか、別途ライセンスが必要かを事前に相談しましょう。
トラブルを避けるためにも、利用規約や契約書の内容は最後までしっかり読み、分からない点は遠慮なく質問することが大切です。
VTuberモデル制作を成功させる注意点
ここではパーツ分けイラストの段階で意識しておくと、後の配信活動がぐっと楽になるポイントや、よくある失敗例を紹介します。
動きやすい衣装
衣装のデザインは見た目の魅力だけでなく、動かしやすさも意識して決めることが重要です。
過度にフリルや装飾が多い衣装は、パーツ分けやモデリングの負担が大きくなり、料金アップにつながることもあります。
どうしても複雑な要素を入れたい場合は、配信でよく映る上半身だけ凝ったデザインにするなど、メリハリを付けると良いでしょう。
- 上半身重視のデザイン
- 装飾はポイントに絞る
- 過度な透け表現は控えめ
- シワは描き込みすぎない
- 差分衣装で遊ぶ余地を残す
将来の改変を見据える
長く活動するVTuberほど、後から衣装や髪形、アクセサリーなどの変更を行うケースが多くなります。
最初のパーツ分けイラストの時点で、レイヤー構成を丁寧に整理しておくと、後から別のイラストレーターが改変しやすくなります。
将来のアップデートを見据えて、ベースの立ち絵データはしっかりバックアップし、バージョン管理を行っておきましょう。
| 保存形式 | psd本体と書き出し用データ |
|---|---|
| バックアップ | クラウドとローカルの二重保存 |
| 命名ルール | 日付+バージョン番号 |
| 共有方法 | オンラインストレージで共有 |
| 改変想定 | 衣装差分や髪型変更 |
| 注意点 | 権利条件を必ず確認 |
コミュニケーションの取り方
イラストレーターやモデラーとのコミュニケーションは、VTuberモデルの完成度を大きく左右します。
要望を伝えるときは、「なんとなく」ではなく、好きな理由や避けたい表現も含めて具体的に言語化することが大切です。
相手の提案に対しても、一度受け止めたうえで「ここだけ変えたい」とポイントを絞って伝えると、互いにストレスが少なく進行できます。
よくある失敗例
よくある失敗として、必要なパーツが描かれておらず、後から描き足しが必要になるケースがあります。
特に顔の下に隠れた首や、髪の下に隠れた耳など、通常の一枚絵では描かない部分を忘れやすいので注意が必要です。
また、レイヤー名が整理されておらず、どのパーツが何を指しているのか分からなくなる問題もよく起こります。
- 隠れて見えない部分を描いていない
- レイヤー名が曖昧で整理されていない
- 解像度が低く拡大時に粗くなる
- 左右の向き表記が混乱している
- 依頼時の条件をメモしていない
VTuberのパーツ分けイラストで理想のモデルに近づくポイント
VTuberのパーツ分けイラストは、単なる立ち絵ではなく、今後の活動を支える「身体」を作る作業です。
自作に挑戦する場合も、イラストレーターに依頼する場合も、Live2Dの仕組みやパーツ分けの考え方を知っておくことで、完成するモデルのクオリティは大きく変わります。
料金相場やスケジュールの目安を把握し、将来の改変も見据えたレイヤー構成やデータ管理を意識すれば、長く愛されるVTuberモデルに育てていくことができるでしょう。
自分の理想の姿や活動スタイルをイメージしながら、一歩ずつパーツ分けイラストの準備を進めていってください。

