Vtuberとして活動を始めようとするとき、多くの人が最初につまずくのが立ち絵のサイズをどれくらいにするかという疑問です。
配信ソフトやプラットフォームごとの仕様、Live2Dモデルか静止画かといった用途の違いによっても適切なサイズは変わるため、なんとなくで決めてしまうと後からやり直しになることもあります。
この記事では、Vtuberの立ち絵のサイズを用途別に整理しながら、イラスト制作時のキャンバスサイズと配信画面に表示するときのサイズの両方の考え方を丁寧に整理していきます。
Vtuberの立ち絵サイズの最適な目安7パターン
ここではVtuberの立ち絵のサイズについて、よく使われる代表的な目安を7つのパターンに分けて整理します。
実際には活動スタイルやパソコンのスペックによって最適解は少しずつ変わるため、自分の用途に近いパターンをベースにしながら微調整していくイメージで考えると失敗しにくくなります。
配信用静止画立ち絵の基本サイズ
静止画の立ち絵をOBSなどの配信ソフトに読み込んで使うだけであれば、縦4000px前後を目安にしたサイズでも実用上は問題なく使えるケースが多いです。
具体例としては縦4000px×横2000〜3000px程度で作成しておくと、フルHD配信の画面内で顔アップ表示にしても荒れにくく扱いやすくなります。
あまりに小さい画像サイズだと、バストアップに拡大したときに線のジャギーや塗りの粗さが目立ってしまうため、最初から少し余裕を持った大きさにしておくことが安心につながります。
将来的にサムネイルやサムネ用のトリミングにも流用したい場合は、同じ縦横比を保ちながら一段階大きくしておくと編集の自由度が増えます。
Live2Dモデル用キャンバスのサイズ
Live2Dでモデル化する前提の立ち絵は、静止画よりも一回り大きなキャンバスサイズで作成されるのが一般的です。
よく使われる目安として、キャンバスの高さを6000〜8000px程度にし、余裕があれば8000〜10000px未満まで大きくするパターンがよく採用されています。
これは配信中に顔を大きく寄りで表示したときでも、線が荒れずに滑らかに見えるようにするためであり、特にガチ恋距離のような近い距離感のカメラワークを想定する場合に重要になります。
ただしキャンバスを大きくしすぎると作業データが重くなりパソコンに負荷がかかるため、自分の環境で無理なく動かせる上限付近で設定することが大切です。
IRIAMなどアプリ用イラストのサイズ
IRIAMのようにイラスト一枚からアバター化してくれる配信アプリでは、アプリ側で推奨されている立ち絵画像のサイズや縦横比があります。
代表的な例として、縦4000px以下×横2000px以下程度の画像を読み込む仕様で、実際の推奨値としては縦5000〜7000px×横2500〜3500px程度の高解像度データも案内されています。
この場合、実際にアプリへ読み込むデータとは別に、さらに大きな元データを用意しておくとイベントポスターや大型印刷にも耐えられるため将来の展開がしやすくなります。
アプリごとに細かな条件やNG項目が異なるため、立ち絵のサイズだけでなくファイル形式や透過の有無も含めて公式ガイドラインを確認しながら準備しておくと安心です。
YouTube配信で顔アップに耐えるサイズ
YouTubeやTwitchなどで横長の雑談配信やゲーム配信を行う場合、配信画面の基本解像度は1920×1080pxの16対9が主流です。
この画面内でキャラクターの顔を大きく表示したときに粗さが目立たないようにするには、立ち絵の顔だけで縦1000px程度を確保できるキャンバスサイズを前提に設計するのが一つの目安になります。
全身まで含めた立ち絵として考えると、等身やポーズにもよりますが縦4000〜8000px程度のキャンバスにしておくと顔アップの画質と全身表示の両方を両立させやすくなります。
顔アップを多用する歌枠や雑談枠が中心であればやや大きめ、ゲーム配信中心で立ち絵は小さく表示するだけであれば少し小さめなど、自分の配信スタイルに合わせて調整してください。
MVやサムネイルにも使う場合のサイズ
歌ってみた動画やMV、ティザーPVなどで立ち絵を大きく動かしたり寄り引きの演出をしたい場合は、静止画配信よりさらに大きなサイズを用意しておくと安心です。
動画用の立ち絵としてよく推奨されるのは、最終的にフルHDや4Kの動画解像度に合わせて、縦3840×横2160px以上の一枚絵やそれに準じたサイズ感で素材を作るやり方です。
実際には全体のキャンバスをもっと大きく作り、その中から1920×1080px相当の範囲をアップやバストアップとして切り抜く構成にしておくと、カメラワークの幅がぐっと広がります。
将来的に4K編集を視野に入れる場合や、Blu ray用の映像制作を想定する場合は、解像度やサイズに余裕を持たせたデータ作りを意識することが重要です。
小さめPC環境での軽量サイズの目安
ノートパソコンやメモリが少なめの環境で作業する場合は、あまりに巨大なキャンバスサイズにしてしまうとソフトが重くなり作業そのものがストレスになることがあります。
そのような環境では、Live2Dモデル前提であっても縦6000pxを上限としたキャンバスを一つの妥協点にしておき、必要に応じて仕上げ前に少しだけ拡大するなどの工夫が有効です。
どうしても重いときは、作業中はレイヤーを統合して軽量化しつつ、最終版として高解像度データだけを別ファイルにまとめるなどの運用も検討できます。
「自分のPCで無理なく動くサイズ」を基準に決め、将来さらに高解像度の立ち絵が必要になったときに改めて描き下ろすという割り切りも現実的な選択肢です。
将来の4K配信やグッズ制作を見据えたサイズ
4K配信や大型パネル、タペストリーなどのグッズを視野に入れている場合は、最初からかなり大きめのキャンバスで立ち絵を用意しておくと後から作り直す手間を減らせます。
具体的には縦8000〜10000px前後のキャンバスに350dpi程度の解像度を設定し、輪郭線や細部のディテールが拡大しても崩れないように丁寧に描き込むことが推奨されます。
ただしこのクラスのサイズになると、レイヤー点数の多いLive2D用PSDでは数GB単位のファイルになることもあるため、ストレージ容量やバックアップの取りやすさも考慮が必要です。
活動を長く続ける予定であれば、通常配信用と高解像度グッズ用で立ち絵を分けるか、高解像度版から縮小して配信用データを作るワークフローを最初に決めておくと管理が楽になります。
立ち絵サイズを決めるときに確認したいポイント
ここからは具体的な数字だけでなく、Vtuberの立ち絵のサイズを決める前に必ず確認しておきたい考え方やチェックポイントを整理していきます。
用途や配信プラットフォーム、PCスペックなどの条件を事前に洗い出しておくことで、自分にとってちょうどよいサイズを無理なく選べるようになります。
用途別に考える
立ち絵は単なる一枚絵ではなく、配信画面の一部として使うのか、MVやキービジュアルとして使うのかによって求められる役割が大きく変わります。
どの場面でどれくらいの大きさで映したいかを具体的にイメージしてから、必要な解像度やキャンバスサイズを逆算するのが失敗しない選び方の基本です。
- 雑談配信でのバストアップ表示
- ゲーム配信で画面端に小さく配置
- 歌枠やMVでの大きな顔アップ
- キービジュアルやヘッダー画像での全身表示
- イベントポスターや等身大パネル用の印刷
このように具体的な用途を箇条書きにして優先順位を付けておくと、どのサイズパターンを選べばよいかが自然と絞り込まれていきます。
配信プラットフォームごとの推奨解像度
立ち絵自体のサイズだけでなく、配信プラットフォームごとに推奨されている画面解像度やアスペクト比を把握しておくことも重要です。
特に横長配信が中心なのか、縦長のスマホ配信をメインにするのかによって、立ち絵の配置や見せ方が大きく変わります。
| 配信形式 | 横長雑談配信 |
|---|---|
| 画面比率の目安 | 16対9 |
| 代表的な解像度 | 1920×1080px |
| 縦型配信の例 | 1080×1920px |
| レトロゲーム配信の例 | 4対3の画面比率 |
このような画面比率を踏まえたうえで、立ち絵をどの位置にどのくらいの大きさで表示するかを決めると、無駄な余白やトリミングを減らすことができます。
PCスペックとデータ容量のバランス
キャンバスサイズを大きくすると描画時の見た目はきれいになりますが、その分だけファイルサイズと作業負荷も増大します。
特にレイヤーを細かく分けたLive2D用PSDは、縦8000px以上のキャンバスにするとファイル容量が数GBに達することも珍しくありません。
快適に作業できるかどうかはメモリ容量やストレージ速度にも左右されるため、自分の環境で問題なく扱える上限を把握しておくことが重要です。
もしPCスペックに不安がある場合は、テスト用に小さめのキャンバスで試してから本番サイズを決めるなど、段階的に調整すると安全です。
立ち絵の縦横比をどう決めるか
立ち絵の縦横比は、キャラクターの身長やポーズ、どこまでを画面に入れたいかによって適切な値が変わってきます。
全身をすべて収める場合は縦長のキャンバスが基本になりますが、足元まで映す機会が少ない配信スタイルであれば、膝あたりまでの構図にして横幅を少し広めに取る方法もあります。
重要なのは、最終的に配信画面に載せたときに、顔や上半身をどのくらいの大きさで見せたいかというゴールから縦横比を決めることです。
迷ったときはまず標準的な縦長キャンバスで作成し、表示側でトリミングや拡大縮小を調整する方向で考えると運用の自由度が高まります。
イラストレーターに立ち絵サイズを依頼するときのポイント
自分で描くのではなく外部のイラストレーターに立ち絵を依頼する場合、サイズ指定が曖昧だと完成後に「思っていたより小さい」「配信で顔が荒れる」といったトラブルが起こりがちです。
ここでは依頼時に伝えておくと安心な情報や、実際に使えるサイズ指定の例を整理していきます。
依頼前に決めておきたい内容
立ち絵のサイズを指定する前に、まず依頼者側で整理しておきたいポイントがあります。
これを事前に固めておくと、イラストレーターとのやり取りがスムーズになり、完成した立ち絵も用途にぴったり合わせやすくなります。
- 主な配信プラットフォーム
- 配信画面の想定解像度
- Live2Dモデル化の有無
- 全身かバストアップかの希望
- MVやグッズなど将来の利用予定
これらをまとめた上で、「この用途なのでこのくらいのサイズでお願いしたい」という伝え方をすると、イラストレーター側も判断しやすくなります。
具体的なサイズ指定の例
漠然とした「大きめでお願いします」という伝え方では、イラストレーターによって解釈が分かれてしまうため、数値の目安もセットで伝えることが大切です。
ここでは用途別に使いやすいサイズ指定の例を一覧にしておきます。
| 用途 | Live2D配信モデル |
|---|---|
| キャンバス高さの目安 | 6000〜8000px |
| 静止画配信用 | 縦4000px前後 |
| MVやキービジュアル | 3840×2160px以上 |
| 高解像度グッズ用 | 縦8000〜10000px |
例えば「Live2Dモデル前提なので高さ6000〜8000pxくらいで、可能なら8000px寄りで作成してください」というように、レンジと理想値の両方を添えて依頼すると意図が明確になります。
Live2Dモデラーとの連携
Live2Dモデルを外部のモデラーに依頼する予定がある場合は、イラストレーターとモデラーの双方にサイズやレイヤー構成を共有しておくことが重要です。
モデラー側で扱いやすいキャンバスサイズやレイヤー分けのルールがあれば、それに合わせてイラストを準備してもらうことで作業効率が大きく向上します。
事前にモデラーへ相談し、「このくらいのサイズなら問題なく動かせる」といったコメントをもらってからイラストを発注する流れにすると、後戻りのリスクを減らせます。
同じ制作チームの中でサイズや仕様の共通認識を持つことが、結果として高品質なモデルと配信画面づくりにつながっていきます。
差分やグッズ利用を見据えたサイズ設計
立ち絵は一度作って終わりではなく、衣装差分や季節イベント、コラボ企画などで継続的にバリエーションが増えていくことが多い素材です。
そのため最初の一枚から、差分追加やグッズ化を想定したサイズ設計をしておくと、後からの展開がぐっと楽になります。
具体的には、最初のメイン立ち絵を基準として同じキャンバスサイズと縦横比で差分を描き足してもらえば、配信画面での差し替えもスムーズです。
グッズ用のデータも同じ比率でそろえておけば、印刷所への入稿時にトリミングの手間を減らしつつ、デザイン全体の統一感も保ちやすくなります。
配信ソフトで立ち絵のサイズを調整するときの注意点
どれだけ立ち絵を大きなキャンバスで用意しても、配信ソフト側での表示設定が適切でなければ画質や見え方のバランスは崩れてしまいます。
ここではOBSなどの配信ソフトで立ち絵を配置するときに意識したい表示サイズと、トリミングや縦型配信への対応ポイントを解説します。
OBSでの表示サイズの考え方
OBSなどの配信ソフトでは、読み込んだ立ち絵画像をソースとして追加し、ドラッグや数値入力で表示サイズを調整することができます。
視聴者にとって見やすい大きさと画面全体のバランスを両立させるために、あらかじめいくつかの表示パターンを決めておくとレイアウトが安定します。
| 表示パターン | 雑談用バストアップ |
|---|---|
| 画面内の占有目安 | 横幅の20〜30パーセント |
| ゲーム配信時の小さめ表示 | 横幅の10〜15パーセント |
| 歌枠など顔アップ時 | 縦の半分以上を使用 |
| 待機画面での全身表示 | 画面中央に収まるサイズ |
このような目安をもとに、シーンごとにあらかじめ立ち絵の大きさを決めておくと、配信ごとに微調整を繰り返す手間を減らせます。
立ち絵のトリミングと余白
立ち絵を配信画面に表示するときは、キャンバス全体をそのまま使うのではなく、顔や上半身が見やすくなるようにトリミングを行うことが一般的です。
ただしトリミングで切りすぎると、ジェスチャーや体の動きが画面外に出やすくなり、配信中の表現の幅が狭まってしまうことがあります。
- 顔の周囲には少し余白を残す
- 手の動きが収まる範囲を意識する
- テロップやコメント欄との重なりを避ける
- カメラワークの寄り引きを想定する
このようなポイントを意識してトリミングを行うと、立ち絵の魅力を損なわずに画面全体の見やすさも確保しやすくなります。
縦型配信での立ち絵サイズ
TikTokやスマホ向けの縦型配信では、画面比率が9対16となるため横長配信とはレイアウトの考え方が大きく変わります。
縦型配信では、立ち絵を画面中央付近に大きく配置し、その上下にコメント欄やテロップを配置する構成がよく見られます。
この場合も立ち絵の元データは十分な高さを確保しておけば、顔アップや全身表示のどちらにも対応しやすくなります。
縦型用のシーンと横型用のシーンを分けて作成し、それぞれで立ち絵の表示サイズを調整しておくと、プラットフォームごとの切り替えがスムーズです。
Vtuberの立ち絵サイズを賢く決めて活動を長く楽しむために
Vtuberの立ち絵のサイズは、Live2Dモデルか静止画か、横長配信か縦型配信かといった条件によって最適な答えが変わるため、万人に共通する一つの正解は存在しません。
しかし「配信でどのくらいの大きさで表示したいか」「将来どんな用途に使いたいか」「自分のPCが無理なく扱えるサイズはどこまでか」という三つの視点から考えれば、自分にとってちょうどよいサイズの目安は自然と見えてきます。
まずは縦4000〜8000px前後の代表的なパターンの中から、自分の用途に近いサイズを一つ選び、実際に配信画面に読み込んで試しながら微調整していくのがおすすめです。
一度決めたキャンバスサイズと縦横比を基準として差分や新衣装もそろえていけば、レイアウトやシーンの作り直しの手間を抑えつつ、長く愛される立ち絵でVtuber活動を育てていくことができます。

