「Vtuberは一体世界に何人いるのか」という疑問は、業界の規模感や今から参入して間に合うのかを考えるうえでとても大切な視点です。
ただし公式な国勢調査のような数字は存在せず、複数の調査会社やファンサイトのデータを組み合わせて全体像をつかむ必要があります。
この記事では代表的な統計データや推計方法を紹介しながら、世界と日本のVtuber人口の目安と、そこから見えてくる市場の姿を整理していきます。
Vtuberは世界に何人いる
最初に、世界全体でVtuberがどれくらいいるのかという素朴な疑問に答えるために、公開されている統計や推定値をもとに現在の人数感を整理します。
世界全体の人数目安
Vtuberの人数は調査主体によって差がありますが、世界全体では「数万規模」と考えるのが一般的な見方になっています。
日本のデータ企業が2021年に発表した集計では、当時の世界全体のVtuber数が約1万6000人と報告されました。
その後も毎年数千人規模で新規デビューが続いているため、活動を休止した人を差し引いても、現在では累計で2万人前後のVtuberが存在すると推定できます。
一方で、完全に活動をやめているアカウントや短期間だけ配信したチャンネルも含まれてしまうため、実際のアクティブ人口はこれより少なめになります。
最新推定値の比較
海外の統計サイトでは、2023年時点で「世界中で1万人超のVtuberが活動している」といった推定が公開されています。
この数字はあくまで活動中とみなせるアカウントに絞った数であり、過去に少しだけ配信してその後動いていないチャンネルは含まれていません。
また配信プラットフォームごとにカウント方法が違うため、YouTubeだけを対象にする場合と、Twitchやbilibiliなどを含める場合で人数の印象は大きく変わります。
こうした事情から、最新の人数は「累計は2万人近く、現在も配信しているのは1万〜1万5000人前後」というおおまかなレンジでつかむのが現実的です。
日本の人数規模
Vtuber文化の中心地である日本は、世界の中でもとくにVtuber人口が多い地域です。
主要な視聴データの分析によると、配信時間や視聴時間の多くが日本語話者のチャンネルに集中しており、言語別では日本語が圧倒的な割合を占めています。
このことから、日本だけで数千〜1万人規模のVtuberが存在し、世界全体のかなりの割合を日本発のチャンネルが占めていると考えられます。
いわゆる箱と呼ばれる大手事務所に所属するタレントに加えて、個人勢のVtuberが裾野を大きく広げているのが日本市場の特徴です。
アクティブ人数の考え方
「何人いるのか」を考えるときには、累計人数とアクティブ人数を分けて見ることが重要です。
累計人数には一時的に数本だけ動画を投稿してその後止まっているチャンネルや、デビュー発表だけで終わってしまったケースも含まれます。
一方でアクティブ人数とは、一定期間内に配信や動画投稿が続いているチャンネルだけを抽出した数字を指します。
視聴者目線や市場規模を考えるときにはアクティブ人数の方が参考になりますが、Vtuber文化の広がりそのものを捉えるには累計人数も無視できません。
人数推計が難しい要因
Vtuberの人数推計が難しい最大の理由は、明確な定義と中央集権的な登録システムが存在しないことです。
アバターを使って顔出しせずに配信している人すべてをVtuberとみなすのか、特定のタグやコミュニティに属している人だけを対象にするのかでも結果は変わります。
またYouTube以外のプラットフォームで活動するVtuberや、ゲーム内アバターのみで配信しているケースなども統計上は漏れやすい存在です。
こうした事情から、公開されている数字はあくまで「目安」として受け取り、細かい差よりも桁の大きさや傾向を見ることが大切です。
Vtuberの人数統計の読み方
次に、数字をそのまま受け取るのではなく、どんな集計方法で出された統計なのかを知ることで、Vtuber人数データの見方を整理していきます。
人数統計の主な情報源
Vtuberの人数を公表している統計には、日本のデータ企業や海外の統計サイト、ファン有志による集計など複数の情報源があります。
それぞれ対象とするプラットフォームや期間が異なるため、同じ時期を扱っていても推定人数に差が出ることがよくあります。
| 情報源 | 日本のデータ企業 |
|---|---|
| 公表時期 | 2021年時点 |
| 推定人数 | 世界全体で約1万6000人 |
| 特徴 | YouTube中心のVtuberを網羅的に集計 |
| 別の情報源 | 海外の統計サイト |
| 別の推定 | 2023年時点で活動中のVtuberが1万人超 |
| 補足 | 配信中のチャンネルに絞ったアクティブ人数 |
このように、同じ「世界のVtuber人数」を扱う統計でも、累計とアクティブ、対象プラットフォームの違いによって数字の見え方が変わる点に注意が必要です。
カウント対象の条件
統計を見るときには、どのような条件で「Vtuber」と判定しているのかも確認しておきたいポイントです。
- アバター配信をしているかどうか
- 特定のタグやカテゴリに登録されているかどうか
- 一定期間内に配信や投稿があるかどうか
- 登録者数や視聴回数に下限があるかどうか
例えば新人Vtuberのデビュー数を集計する際に「登録者数100人以上」という条件が付いていると、極端に小さなチャンネルは統計に含まれません。
数字そのものだけでなく、「どんな基準で数えられたのか」という前提を理解しておくことで、他の統計との比較もしやすくなります。
調査時期の違い
Vtuberの人数は数年単位で見ると増減が激しいため、調査時期の違いも結果に大きく影響します。
特定の年だけを見ると新人デビューが多い年もあれば、全体として卒業や活動休止が増えている年もあります。
さらに新規デビュー数と総数、アクティブ人数を混同してしまうと、実態よりも大きく見えたり小さく見えたりしてしまいます。
長期的なトレンドを理解したい場合は、複数年分のデータを並べて推移を見ることが重要です。
Vtuber人口が多い地域
続いて、世界のどの地域や言語圏にVtuberが多く存在しているのかを見ていくことで、市場の偏りや今後伸びそうなエリアを把握します。
日本語圏の特徴
視聴データの分析では、Vtuberカテゴリの配信時間や視聴時間の多くが日本語の配信に集中していることが報告されています。
これはVtuberという文化自体が日本で生まれ、アニメ的なキャラクターデザインやオタク文化との親和性が高いことが大きな要因です。
大手事務所に所属するタレントの多くも日本を拠点としており、日本語圏の人気チャンネルが世界全体の視聴を牽引している構図になっています。
そのため、日本語圏は人数だけでなく視聴規模の面でもVtuber市場の中心といえます。
英語圏の広がり
近年は英語圏のVtuberも急速に増加しており、北米やヨーロッパを中心に新規デビューが相次いでいます。
とくに日本発の大手事務所が英語圏向けのタレントグループを展開したことで、英語話者のファン層が一気に広がりました。
- 北米を中心とした英語話者の大型ファンベース
- 現地企業とのコラボによる知名度アップ
- Twitchなど英語圏で強いプラットフォームでの活動
- 音楽やゲーム配信を通じたグローバルな認知の拡大
こうした動きにより、英語圏は人数こそ日本語圏より少ないものの、今後の伸びしろが大きい市場として注目されています。
他地域の動向
日本語圏と英語圏以外にも、中国語圏や韓国、東南アジアなど各地域でVtuber文化がローカルに根付きつつあります。
中国圏ではbilibiliなど地域特有のプラットフォームを中心にVtuberが活躍しており、独自のスタイルやファン文化が育まれています。
韓国やインドネシアなどでは、日本の事務所に所属するタレントと現地の配信者が混在する形で市場が広がっています。
これらの地域は全体人数ではまだ小さいものの、将来的に大きな成長余地があるエリアです。
言語別シェアの目安
人数そのものだけでなく、言語別の配信シェアを見るとVtuber人口の分布をイメージしやすくなります。
大手の視聴データ分析では、配信時間や視聴時間の多くが日本語チャンネルに集中し、次いで英語圏のチャンネルが続く構図が示されています。
| 言語 | 日本語中心 |
|---|---|
| シェア目安 | 視聴時間の過半数を占める水準 |
| 次点の言語 | 英語 |
| 英語圏の特徴 | 人数は日本語圏より少ないが成長中 |
| その他の言語 | 中国語や韓国語などが続く構成 |
| 分布の傾向 | アジア太平洋地域にチャンネルが集中 |
このように、Vtuber人口は依然として日本語圏が中心であるものの、英語圏をはじめとした他地域も着実に存在感を増しています。
Vtuberの人数が示す市場規模
ここからは、Vtuberの人数と市場規模の関係に目を向けながら、どれくらいの経済規模がこの人数の裏側にあるのかを整理していきます。
市場規模の推移
複数の市場調査レポートによれば、Vtuber関連市場はここ数年で数十億ドル規模に成長したと推定されています。
2020年代前半にはおおよそ20億ドル前後という推計が多く、以降も年率20〜30パーセント前後の高い成長率が見込まれています。
この市場規模にはスーパーチャットやメンバーシップといった配信収益に加え、音楽やライブイベント、グッズ販売などの周辺ビジネスも含まれます。
人数だけを見ると「多すぎるのでは」と感じるかもしれませんが、一人ひとりの活動が積み重なって大きな市場を形作っていると考えるとイメージしやすくなります。
| 推定時期 | 2022年前後 |
|---|---|
| 市場規模 | 約20億ドル前後の推計 |
| 成長率 | 年率20〜30パーセント前後の予測 |
| 主な収益源 | 投げ銭やメンバーシップなどの配信収益 |
| 周辺ビジネス | 音楽やライブ、グッズなどの二次展開 |
| 人数との関係 | 数万規模のVtuber人口が市場を支える構図 |
このように、Vtuberの人数は単なる「何人いるか」という話にとどまらず、市場規模や関連産業の広がりを読み解く指標にもなっています。
一人当たりの売上感覚
数万人規模のVtuber人口と数十億ドル規模の市場を組み合わせると、一人当たりの平均的な売上感覚も見えてきます。
もちろんごく一部の人気タレントが全体の売上の大部分を占めるパレート型の分布になっているため、単純な平均値はあまり意味を持ちません。
それでも「上位数パーセントのプロレベルのVtuberが大きな売上を生み出し、中堅層や個人勢が裾野を支える」という構図は、多くのクリエイター業界と共通しています。
人数の多さは競争の激しさを示す一方で、視聴者や企業にとっては多様な選択肢がある豊かな市場であることの裏返しでもあります。
- 上位タレントの高い収益集中
- 中堅層の安定したファンコミュニティ
- 個人勢の挑戦しやすい参入コスト
- 企業案件やコラボを含めた多様な収益源
こうした構造を理解しておくと、「Vtuberは何人いるのか」という問いが収益性やキャリア設計の議論とも結び付きやすくなります。
今後の人数トレンド
新人Vtuberのデビュー数は、ピーク期と比べるとやや落ち着きつつあるものの、依然として毎年数千人規模の新顔が登場していると推定されています。
一方で卒業や活動休止も増えており、全体の人数は「急激に増え続けるフェーズ」から「入れ替わりを伴いながら緩やかに増えるフェーズ」に移行しつつあります。
今後は人数そのものよりも、特定のジャンルに特化した専門系Vtuberや、企業や自治体と連携した公式Vtuberなど、役割やポジションの多様化が進むと考えられます。
この意味で「何人いるか」という問いは、これからは「どんなタイプのVtuberがどれくらいいるのか」という質的な議論へとシフトしていくでしょう。
世界のVtuber人口から見える配信文化
世界のVtuber人口は、累計で見れば数万規模、現在アクティブに活動しているのは1万〜1万5000人前後というレンジで捉えるのが現実的です。
人数の多さは競争の激化を意味する一方で、視聴者から見れば多様なキャラクターや企画に出会える豊かな配信文化の広がりでもあります。
また日本語圏を中心にしつつも、英語圏やアジア諸国など世界各地にVtuberコミュニティが拡大していることから、今後も新しいスタイルのVtuberが次々と生まれてくるはずです。
「Vtuberは何人いるのか」というシンプルな疑問から出発して、数字の背景にある市場や文化の広がりまで意識して眺めてみると、この分野のダイナミックさがより立体的に見えてきます。

