VTube StudioはLive2Dモデルをリアルタイムで動かせる人気のトラッキングソフトです。
初めて触る人はインストールやスマホ連携など設定項目が多く感じて戸惑いやすいです。
手順を整理して順番に進めると短時間で配信に使える状態までたどり着けます。
ここではインストールからモデルの導入配信ソフトへの出力までを一連の流れとして解説します。
VTube Studioの使い方を基礎から学ぶ5ステップ
まずはVTube Studioを導入して配信に使えるようにするまでの全体像を五つのステップに分けて整理します。
インストール手順の全体像
VTube StudioはWindowsやmacOSのPC版とiOSやAndroidのスマホ版を組み合わせて利用します。
一般的にはPC版でモデルを表示しスマホ版やWebカメラで顔の動きをトラッキングします。
最初にSteamか公式サイトからPC版を導入し次にスマホアプリをインストールするのが基本の流れです。
その後Live2Dモデルを読み込みカメラやマイクを設定して配信ソフトに画面を渡します。
PC版のダウンロード
PC版VTube StudioはSteamのストアページから無料でダウンロードできます。
Steamをまだ利用していない場合は先にSteamクライアントをインストールしてアカウントを作成します。
Steamのライブラリに追加されたらVTube Studioを選んでインストールし完了後に起動します。
macOSを利用している場合も基本的にはSteam経由で導入できますが環境に応じて公式サイトの案内も確認しておきます。
スマホアプリの準備
顔トラッキングにスマホを使う場合はiOSならApp StoreからAndroidならGoogle PlayからVTube Studioアプリをインストールします。
無料版はPCとの接続時間に五分程度の制限があり本格的な配信には有料のPRO版が推奨されます。
商用利用や長時間配信を行う予定があるなら最初からPRO版や必要なDLCを購入しておくと安心です。
iPhoneのFace ID対応機種はトラッキング精度が高くまばたきや細かな表情も反映されやすいです。
モデル読み込み手順
VTube Studioを起動したら画面下部に並ぶアイコンから人型のアイコンをクリックしてモデル管理画面を開きます。
あらかじめ用意されているサンプルモデルであれば一覧から選ぶだけで即座に画面上に表示されます。
自作や外部依頼で制作したLive2Dモデルを使う場合は自分のモデルをインポートを選び出力済みのファイル一式を指定フォルダにコピーします。
コピー後にソフトを再起動するとモデル一覧に自分のモデルが追加され選択して読み込めるようになります。
トラッキング設定の仕上げ
モデルが表示できたらカメラアイコンからWebカメラやスマホとの接続を有効にし顔の動きをモデルへ反映させます。
表情が極端に動きすぎる場合はモーショントラッキングの感度やスムージングのスライダーを調整して自然な動きになるようにします。
背景を単色や透過に切り替えたい場合は背景設定のメニューからグリーンバックや透過表示を選びます。
最後にまばたきや口の動きなど基本動作を確認してから配信ソフト側の設定に進みます。
VTube Studioを始める前に揃えたい配信環境
快適にVTube Studioを動かすためにはPCの性能やカメラスマホマイクなどの機材をあらかじめ整えておくと安心です。
PCスペックの目安
VTube Studio自体は比較的軽量ですが配信ソフトやゲームと同時に動かす場合は余裕のあるスペックが必要です。
古いPCだとカクつきや熱暴走につながるため推奨環境を目安に準備しておきます。
| 推奨OS | Windows10以降または最新のmacOS |
|---|---|
| CPU目安 | Intel Core i5相当以上 |
| メモリ目安 | 8GB以上を推奨 |
| GPU目安 | 専用GPU搭載モデルが理想 |
| 保存領域 | 空き容量数GB程度 |
カメラやスマホ選びの基準
顔トラッキングの精度は使用するカメラやスマホによって大きく変わります。
できるだけ滑らかでラグの少ない配信にしたい場合は対応端末を確認しながら選びます。
- Face ID対応のiPhoneやiPad
- 対応機種のAndroidスマホ
- フルHD対応のWebカメラ
- 安定したWiFi環境
- 顔が明るく映る照明
マイクや周辺機器の準備
声を中心に配信するVTuberの場合マイクの音質は視聴体験に直結します。
USBコンデンサーマイクやオーディオインターフェース付きのダイナミックマイクなど目的に合うものを選ぶとよいです。
長時間配信を想定しているならヘッドホンやモニターアームなどの周辺機器も合わせて検討します。
配信中の操作を楽にするために配信用のキーボードやストリームデッキを併用する人も多いです。
VTube Studioでモデルを動かすための設定ポイント
モデルを読み込んだあとに行う細かな設定を押さえておくと自然で見栄えの良い動きを実現しやすくなります。
メイン画面の構成
VTube Studioの画面構成を理解するとどの設定がどこにあるのかが直感的に分かるようになります。
よく使うエリアを把握しておくと配信中の微調整もスムーズです。
| モデル表示エリア | Live2Dモデルが表示される中央の領域 |
|---|---|
| メニューアイコン列 | モデル管理や設定画面を開くショートカット群 |
| パラメータ設定パネル | トラッキングや表情などの数値調整用パネル |
| ログエリア | エラーや接続状態が表示される情報欄 |
モデル切り替え操作
複数のモデルを持っている場合は人型アイコンから一覧を表示して目的のモデルを選択します。
モデルごとに位置や拡大率を変えたいときはドラッグやマウスホイールで調整し必要に応じてプリセットとして保存します。
座り配信向けや全身表示向けなどシーン別に配置プリセットを用意しておくとOBS側のレイアウト変更も簡単です。
切り替え時にポーズや表情が崩れる場合はLive2D側の設定やVTube Studio内のモーション設定も見直します。
表情制御の設定例
VTube Studioではホットキーを使って任意の表情やモーションを素早く切り替えられます。
よく使う表情だけに絞って登録しておくと操作ミスが減り配信に集中しやすくなります。
- 笑顔の切り替え用ホットキー
- 真顔や落ち着いた表情用ホットキー
- 目を閉じる演出用ホットキー
- ポーズ変更用ホットキー
- アイテム表示切り替え用ホットキー
OBS連携で行う配信の流れ
VTube Studioだけでは配信は完結しないためOBSなどの配信ソフトと組み合わせて映像や音声をまとめます。
OBS側の基本設定
OBSを初めて使う場合はシーンとソースの概念を理解しておくとレイアウト作成がスムーズになります。
配信サービスごとの自動設定ウィザードを利用するとビットレートなどの基本値も自動で決めてくれます。
| シーン構成 | 雑談用やゲーム配信用など用途別に作成 |
|---|---|
| 解像度設定 | 配信とキャンバスをフルHDかHDで統一 |
| フレームレート | 一般配信は30fpsゲーム重視なら60fps |
| ビットレート | 回線速度に合わせて3000kbps前後を目安 |
ゲーム画面とのレイアウト
VTube StudioのウィンドウをOBSに取り込んだらゲーム画面や背景画像とのバランスを調整します。
モデルが小さすぎると表情が伝わりにくく大きすぎるとゲーム画面が見えにくくなるため何度か試しながら位置を決めます。
- 右下に小さめの立ち絵風レイアウト
- 雑談配信用の全身表示レイアウト
- 歌配信用の上半身アップレイアウト
- シーン切り替えで雰囲気を変える構成
録画や配信開始の手順
配信前には必ずOBSのメーターで音量バランスを確認しマイクとデスクトップ音声が適切な範囲に収まっているかを確認します。
一度限定公開やテスト配信を行って映像遅延や音ズレがないかチェックしておくと本番でのトラブルを減らせます。
配信開始後はチャットやコメントの反応を見ながらVTube Studio側で表情やアイテムの切り替えを行います。
終了時にはVTube StudioとOBSの両方で録画や配信停止ボタンを押し録画ファイルの保存先も確認しておきます。
VTube Studioのトラブル対処法
実際に使い始めるとインストールエラーやトラッキング不調商用利用ルールなどいくつかつまずきやすいポイントが出てきます。
インストール時のエラー対処
Steamや公式サイトからのダウンロード時にエラーが出る場合はネットワーク設定やストレージの空き容量を確認します。
ウイルス対策ソフトがインストーラーをブロックしているケースもあるため一時的に例外設定を追加する方法もあります。
- 管理者権限での起動
- 保存先ドライブの空き容量確認
- ウイルス対策ソフトの例外登録
- 再インストールやキャッシュ削除
- 公式ヘルプやコミュニティの参照
トラッキング不調の改善策
顔が認識されない動きがカクつくモデルが反応しないなどの症状はカメラ環境や設定の見直しで改善できることが多いです。
特にスマホトラッキングの場合は同一ネットワークに接続されているかや照明環境の影響を強く受けます。
| 症状 | 改善に向けた主な確認項目 |
|---|---|
| 顔を認識しない | カメラ許可設定や明るさの調整 |
| 動きがカクつく | WiFiの混雑状況やPC負荷の確認 |
| スマホと接続できない | 同一ルーター接続やIP設定の確認 |
| 口や目だけ動かない | トラッキングパラメータやモデル設定確認 |
商用利用のルール理解
VTube Studioは基本的に個人利用であれば無料版でも利用できますが収益化配信や企業利用では条件が変わります。
スマホアプリの無料版は接続時間が五分に制限され商用利用が認められていないため収益化する場合はPRO版への課金が前提になります。
PC版は無料版でもDLC購入などの条件を満たせば商用利用が可能ですが二〇二五年には商用ルールの変更も行われているため最新のライセンス情報を必ず確認する必要があります。
企業案件や法人としての利用を想定している場合は公式サイトのライセンスページやサポートへの問い合わせで個別に条件を確認しておくと安心です。
VTube Studioを使いこなして自分らしい配信へつなげる
VTube Studioはインストールからモデル導入スマホ連携OBSとの組み合わせまで流れを押さえれば初心者でも扱いやすいソフトです。
最初はサンプルモデルと無料版の範囲で操作に慣れ必要に応じてPRO版やDLCを追加すると無駄な出費を抑えながら環境を整えられます。
カメラや照明ホットキーやレイアウトなど自分に合った設定を見つけていくことで配信の見栄えと作業のしやすさが同時に向上します。
環境構築が一通り終わったら短いテスト配信を繰り返しながら少しずつ調整し自分らしいスタイルのVTuber活動へつなげていきましょう。

