Vtuberとして配信や動画投稿を続けていても、なかなか再生数が伸びないときに最初に見直したいのがサムネイルです。
同じテーマの動画が並ぶ中でクリックされるかどうかは、タイトル以上にサムネイルの印象が左右します。
この記事では、Vtuberのサムネイルをクリックしたくなる1枚に仕上げるための考え方から、サイズや文字、構図、ツール選びまで順番に整理していきます。
初めてサムネイル作りに挑戦する人はもちろん、なんとなくで作ってきた人も、もう一度基礎から整えるつもりで読んでみてください。
Vtuberのサムネイルをクリックされる1枚にするコツ7選
まずはVtuberのサムネイル全体に共通する「考え方の軸」を押さえることで、その後に学ぶサイズや文字、構図のテクニックがぶれにくくなります。
ここではクリックされるサムネイルを目指すための7つのコツを、順番に整理していきます。
目的
サムネイルを作る前に必ず「視聴者に何をしてほしいか」という目的を一言で言語化しておきます。
たとえば「初見さんに配信内容を一目で伝えたい」「既存ファンに神回だと気づいてほしい」など、ゴールを決めておくと余計な情報を入れずに済みます。
目的が曖昧なままだと、文字も画像も盛り込み過ぎて何を伝えたいのか分からないサムネイルになりがちです。
逆に目的がはっきりしていれば、同じ素材でも「何を大きく見せるか」「何をあえて削るか」の判断がしやすくなります。
ターゲット
次に「誰に向けたサムネイルか」を明確にします。
ゲーム配信なら、そのタイトルを普段から遊んでいる人と初心者では刺さる言葉やビジュアルが変わります。
雑談配信でも、内輪ネタが中心なら既存ファン向け、話題のニュースや恋愛相談なら新規リスナー向けといったようにターゲットが分かれます。
ターゲットを絞ることで、サムネイルのトーンや使う言葉、色の派手さなども自然と決まっていきます。
企画
サムネイルは動画タイトルのコピーではなく、企画の「核となるポイント」を見せる役割だと考えます。
たとえば長いタイトルの中から、視聴者が一番反応しそうな言葉だけを抜き出して大きく配置するイメージです。
視聴者は一覧画面で一瞬だけサムネイルを見るので、「この配信は何が起こるのか」という一番おいしいところだけを切り取る意識が重要です。
企画の核が定まれば、それを邪魔する情報は思い切って削ってしまって構いません。
表情
Vtuberのサムネイルでは、キャラクターの表情が感情を伝える一番大きな要素になります。
驚きなら目と口を大きく開ける、真剣な解説系なら少し落ち着いた表情にするなど、動画の空気感と顔の表情を合わせます。
キャラクターの顔が小さいと、せっかく表情を変えてもスマホ画面ではほとんど伝わりません。
目や口の形がはっきり分かるくらいまで拡大し、「感情が一瞬で伝わる顔」をサムネイルの中心に置く意識が大切です。
文字数
サムネイルに入れる文字は、基本的に短く絞ったフレーズにします。
スマホで一覧を見たときに一瞬で読めるのは、せいぜい十数文字程度だと考えておきましょう。
長い文章を無理に詰め込むより、「ヤバすぎ」「神回」「初公開」など印象に残る単語と企画のキーワードを組み合わせる方が伝わりやすくなります。
文字数を削るときは、タイトル側に任せられる情報は思い切って任せると整理しやすくなります。
色使い
色は情報量を増やすものではなく、重要な要素を目立たせるために使います。
背景と文字、キャラクターの色をすべて派手にすると、メリハリがなくなって却って目立ちません。
まずベースとなる色を2〜3色に絞り、それ以外の色はアクセント程度に抑えると全体のまとまりが出ます。
特に文字は背景とのコントラストを強くして、読みやすさを最優先するのがおすすめです。
シリーズ
同じ企画をシリーズ化するなら、サムネイルにも共通するルールを作っておきます。
たとえば同じフレームや色、ロゴマークを使うことで、「あ、このシリーズの新作だ」と一目で分かるようになります。
シリーズごとのテンプレートを用意しておけば、毎回ゼロから悩まずに素早くサムネイルを作れるようになるメリットもあります。
チャンネル全体のデザインに統一感があると、チャンネルページを見に来た人にもプロらしい印象を与えやすくなります。
Vtuberのサムネイルのサイズ設計
クリックされるサムネイルにするためには、デザインだけでなく技術的なサイズや比率のルールも正しく理解しておく必要があります。
ここでは主にYouTubeで活動するVtuber向けに、推奨サイズや縦型配信との違い、制作時のキャンバス設定の考え方を整理します。
推奨サイズ
YouTubeのサムネイルは、横長の16対9の比率で作るのが基本です。
解像度は横1280ピクセル×縦720ピクセル以上が推奨されていて、それより小さいと大きな画面で表示したときに荒く見えてしまいます。
ファイル形式はJPGやPNGなど一般的な画像形式が使え、容量は2MB以内に収める必要があります。
これらのルールを守ることで、PCでもスマホでもテレビでも崩れずにきれいに表示されるサムネイルになります。
| 推奨解像度 | 横1280×縦720 |
|---|---|
| アスペクト比 | 16対9 |
| ファイル形式 | JPG・PNG・GIF |
| 容量目安 | 2MB以下 |
| 最小横幅 | 640ピクセル以上 |
縦型配信
ショート動画や縦型の雑談配信では、スマホの画面に合わせた9対16の縦長サムネイルを使うケースも増えています。
YouTubeショートやTikTok、Instagramなどプラットフォームごとに最適な比率が違うため、どこに投稿するかでキャンバス比率を切り替える発想が必要です。
同じVtuberのサムネイルでも、横長と縦長ではキャラクターの見せ方や文字の配置が大きく変わります。
まずは自分が一番力を入れたいプラットフォームを決めて、その比率を基準にデザインを考えると迷いにくくなります。
- 横長配信向け16対9
- スマホ視聴向け9対16
- 旧来配信向け4対3
- 正方形向け1対1
キャンバス
イラストやサムネイルを描くときは、最初から1280×720ぴったりではなく、もう少し大きな解像度で作成して最後に縮小する方法もよく使われます。
たとえば3840×2160など高解像度で描いてから縮小すると、線や文字のエッジがなめらかでくっきりとした仕上がりになりやすくなります。
ただし、解像度を上げすぎるとPCの負荷が高くなり、作業が重くなってしまうので、自分のマシン性能に合わせたサイズを見つけることも大切です。
重要なのは、最終的に16対9の比率を維持したまま書き出せるようにキャンバスを設定しておくことです。
Vtuberのサムネイルの文字デザイン
Vtuberのサムネイルでは、キャラクターのビジュアルと同じくらい文字情報が重要な役割を持ちます。
ここでは言葉の選び方やフォント、配置の考え方を整理して、スマホでも読みやすく印象に残る文字デザインを目指します。
キーワード
サムネイルに入れる文字は、動画タイトルのコピーではなく「視聴者の視線を奪うキーワード」に絞ります。
特にスマホの一覧画面では、細かい説明文よりも「一言のインパクト」の方がクリックに直結しやすいです。
数字や感情を表す言葉、強い動詞などを組み合わせると、短くても意味が伝わりやすくなります。
キーワードを決めるときは、実際に自分が視聴者ならどの言葉に反応するかを想像してみると選びやすくなります。
- 数字を含むフレーズ
- 強い動詞の単語
- 感情を表す言葉
- 具体的な名詞のキーワード
フォント
フォント選びは、チャンネルの雰囲気と読みやすさの両方を満たすものを軸にするのが基本です。
ポップで明るいVtuberなら太めのゴシック体、落ち着いた解説寄りならスッキリしたフォントなど、キャラクター性に合わせて選びます。
また、無料フォントを使う場合は配布サイトの利用規約を必ず読み、商用利用やYouTubeサムネイルでの使用が許可されているか確認する必要があります。
複数のフォントを使い分けるときも、ベースとなるフォントは1〜2種類に絞ると全体がまとまりやすくなります。
| ゴシック体 | 太く読みやすい印象 |
|---|---|
| 丸ゴシック | やわらかく可愛い雰囲気 |
| 明朝体 | 落ち着いた真面目な印象 |
| 手書き風 | 親しみやすくラフな印象 |
| 装飾系 | アクセントとして部分使い |
配置
文字の配置は「どこからどこへ視線を動かしたいか」を決めてから考えると整えやすくなります。
たとえば、左側にキャラクターを大きく置き、右側に縦方向に文字を揃えると、視線が自然にキャラクターから文字へと流れます。
背景と文字の境目にアウトラインや縁取りを入れると、多少複雑な背景でも読みやすさを維持できます。
行数を増やしすぎず、大きな文字ブロックを2〜3個に分けるくらいのイメージで配置するのが見やすさの目安です。
Vtuberのサムネイルに映える構図
構図は、同じ素材や文字を使っていてもクリックしたくなるかどうかを大きく左右する要素です。
ここではキャラクターの大きさや位置、視線誘導、余白の取り方といった、Vtuberのサムネイルに特に効く構図の考え方を紹介します。
キャラクター
Vtuberのサムネイルでは、キャラクターの顔を思い切って大きく配置するのが基本です。
顔のサイズが画面の3分の1程度を占めるくらいまで拡大すると、スマホの小さな画面でも目や口の表情がはっきり伝わります。
バストアップや顔寄りの構図を使うことで、視聴者が瞬時に「誰の配信か」を認識しやすくなります。
全身を入れたい場合でも、サムネイル用には顔をアップで切り出した別バージョンを用意するのがおすすめです。
| 顔アップ | 感情が一瞬で伝わる |
|---|---|
| バストアップ | ポーズも見せやすい |
| 全身 | 衣装やシルエット重視 |
| シルエット | 謎やサプライズの演出 |
視線誘導
視聴者の視線をどこからどこへ動かすかを意識すると、情報量が多くても伝えたいポイントがぶれにくくなります。
たとえば、キャラクターの視線や手の向きを文字の方向に向けると、自然に視線が文字に誘導されます。
背景の線や光のエフェクトも、放射状や斜めのラインを使うことで視線を集めたい場所に導くことができます。
最初に目に入ってほしい順番を決めてから、構図とエフェクトを組み立てるとまとまりのあるサムネイルになります。
- 顔から文字への視線の流れ
- 手や指先の方向
- 背景の斜めライン
- 光やエフェクトの向き
余白
情報を詰め込みすぎたサムネイルは、一見派手でも何が重要なのか分かりにくくなります。
あえて余白を残すことで、キャラクターや文字の存在感が増し、視聴者の目にとまるポイントがはっきりします。
余白は「何もないスペース」ではなく、「見せたい要素を引き立てるスペース」として意識するとレイアウトのバランスが取りやすくなります。
特に文字の周りには、上下左右に十分な余白を確保し、窮屈に見えないようにすることが大切です。
Vtuberのサムネイル制作に役立つツール
サムネイル作りは専用の高価なソフトがなくても始められますが、自分のスタイルに合ったツールを選ぶと作業効率とクオリティが大きく変わります。
ここではブラウザで使えるツールからイラスト制作向けソフトまで、Vtuberのサムネイルに相性の良い代表的な選択肢を整理します。
オンライン
ブラウザだけで使えるデザインツールは、テンプレートや素材が豊富で、デザインが苦手でもプロっぽいサムネイルを作りやすいのが特徴です。
ドラッグアンドドロップで画像や文字を配置できるものが多く、レイヤーやエフェクトも直感的に扱えます。
Vtuber向けに特化したサムネイル作成サービスも登場しており、配信用のレイアウトが最初から用意されている場合もあります。
まずは無料プランで試してみて、自分の作業スタイルに合うものを一本決めておくと、毎回のサムネイル作りがぐっと楽になります。
| オンラインテンプレート | ブラウザで手軽に編集 |
|---|---|
| レイヤー機能 | キャラと文字を分けて管理 |
| Vtuber向けプリセット | 配信用レイアウトを標準搭載 |
| クラウド保存 | 別PCからも編集可能 |
ペイントソフト
イラストを描いたり細かいレタッチをしたりするなら、ペイントソフトを使った方が自由度が高くなります。
線の太さやブラシの質感、発光や影などのエフェクトを細かく調整できるので、自分だけのテイストを追求したいVtuberに向いています。
レイヤーを分けておけば、後から文字だけ差し替えたり、キャラクターだけ差し替えたりすることも簡単です。
ペイントソフトで元データを作成し、仕上げだけオンラインツールで行うなど、複数ツールを組み合わせる運用も現実的です。
- イラスト制作向けソフト
- レイヤー管理に強いソフト
- 無料で使えるソフト
- 簡易編集に特化したソフト
テンプレート
毎回ゼロからサムネイルをデザインするのは負担が大きいので、「型」としてテンプレートを準備しておくと作業が一気に楽になります。
配信の種類ごとに1〜2パターン用意しておくと、素材を差し替えるだけで新しいサムネイルを素早く作成できます。
テンプレートはあくまでベースなので、その時々の企画に合わせて色や文字のサイズを微調整する余地を残しておくと便利です。
使い回すほどデザインの精度も上がっていくため、自分のチャンネルの「定番サムネイル」を育てるイメージで少しずつ調整していきましょう。
Vtuberのサムネイルで注意したい著作権とルール
サムネイルは目立たせたいあまり、フリー素材や二次創作イラストを深く考えずに使ってしまうとトラブルの原因になります。
ここではフォントや画像素材のライセンス、Vtuberの二次創作ガイドライン、プラットフォームの規約など、最低限押さえておきたいポイントを整理します。
素材利用
フリー素材サイトや無料フォントを利用する場合は、必ず利用規約に目を通してから使う習慣をつけます。
特に「個人利用のみ可」と書かれている素材は、広告収益が発生するYouTubeのサムネイルに使えないケースがあるので注意が必要です。
また、クレジット表記が必要な素材を使う場合は、概要欄などに明記しておかないと規約違反になることがあります。
少しでも不安がある場合は、使用を見送るか、明確に商用利用可と分かる素材に切り替えるのが安全です。
| 商用利用 | 収益化配信で使用可か確認 |
|---|---|
| クレジット | 表記義務の有無を確認 |
| 改変可否 | 色変更や切り抜きの許可 |
| 利用範囲 | YouTubeでの利用の可否 |
二次創作
既存のVtuberやキャラクターをサムネイルに描く場合は、必ず公式が公開している二次創作ガイドラインを確認します。
多くの事務所は、非営利の同人活動やファンアートとしての利用は認めつつ、公式と誤解される表現や営利目的での利用を禁止しています。
ガイドラインは事務所ごとに内容が違い、予告なく変更されることもあるため、定期的に最新の内容を確認することが重要です。
サムネイルに他者のVtuberを描くときは、自分の活動スタイルがガイドラインの範囲に収まっているかどうかを必ず意識しましょう。
- 公式と誤認されない表現
- 非営利のファン活動の範囲
- 事務所ごとの禁止事項
- 最新ガイドラインの確認
プラットフォーム
YouTubeや配信プラットフォームには、それぞれ独自のコミュニティガイドラインや広告ポリシーがあります。
過度に刺激的な表現や誤解を招くような画像をサムネイルに使うと、年齢制限や収益化停止の対象になる可能性があります。
サムネイルだからといって内容と無関係な煽り画像を使うのではなく、動画の中身と大きくずれない範囲で誇張するバランスが大切です。
長く活動を続けるためにも、各プラットフォームの規約は定期的に読み直しておくと安心です。
Vtuberのサムネイルで世界観を伝える考え方
Vtuberのサムネイルは、単にクリック率を上げるための「釣り画像」ではなく、あなたの世界観を一瞬で伝える名刺のような存在です。
目的やターゲット、サイズや文字、構図やツール、著作権のルールを一つずつ押さえていけば、毎回のサムネイル作りが「センス頼り」ではなく再現性のある作業に変わっていきます。
最初から完璧を目指す必要はないので、まずは自分なりの型を一つ決めて、配信や動画を重ねながら少しずつブラッシュアップしていきましょう。
小さな改善の積み重ねが、やがてチャンネル全体のクオリティとブランド力につながっていきます。

